美容室を数店舗手がけてこられたオーナー様が、初めて独立型店舗を構えるにあたり、お声がけくださいました。
これまではテナントでの出店が多く、新築での独立型店舗は初めての試みというオーナー様。
だからこそ、旗艦店として今後を担う独立型店舗に込める思いを汲み取りながら、店舗デザインのお手伝いが始まりました。

空間の世界観をかたちづくる大きな軸となったのは、木、溶岩石、大理石といった自然素材が持つ素朴さとモダンな設計のバランス。
たとえば床材には、バリ島産のラバストーン（溶岩石）を採用。
トイレには大理石のモザイクタイルを、外壁には板張りを選び、素材そのものの質感が空間に深みを与えています。

店内の家具もその一環として、バリ島・チーク材を用いたオーダーメイド。
インドネシアの家具職人との繋がりで、什器やセット面、カウンターなどの図面を一つずつ描きながら造作を依頼。
細部まで丁寧につくられた家具や什器が、世界観を演出しています。

今では珍しい、セット面をしっかり確保した大箱の美容室。
一見シンプルなデザインの奥には、オーナー様のこれまでの経験と、私たちの設計の積み重ねが息づいています。