「半平屋」という、美しい合理性

2025.12.25
「半平屋」という、美しい合理性
住宅密集地にありながら
自然光に満たされた空間を実現
本格的な登山愛好家で、コーヒーは豆にも淹れ方にもこだわりをお持ちで、お引き渡し後には植物栽培にハマっておられる多趣味なご主人。
その様子を温かく見守るおおらかでさっぱりとした性格の奥様は、〝光の入り方〟や〝素材の質感〟を大切にされる方です。
私から見ると、お二人ともがとても個性豊かで、それでもお互いのことをしっかりと尊重し合ってて‥‥
そのバランスの取れた関係性が、ご家族の暮らしを〝より豊かなもの〟にしているんだろうなぁと思います。
そんなご夫婦が建てたこちらは、平屋感覚で暮らせる2階建て‥‥つまりは「半平屋」として設計した住まいです。
主寝室を含めた〝暮らしに必要な空間〟はすべて1階部分に並べ、2階には〝2つの子ども部屋〟のみを配置しています。
ここ十数年の間で、平屋建ての住まいを求めるお客様の数は格段に増えました。
でも、住みたいと思える場所に、希望する予算内で、平屋建てに向いた敷地を見つけるのは‥‥正直なところ、なかなか大変です。
お二人も、私たちが土地探しのお手伝いを始めた当初は「平屋がいいかなぁ」とおっしゃっていましたが、
ほかの希望や条件を鑑みた上で購入された土地は、〝純粋な平屋〟を建てるには不向きなものでした。
奥様のご実家が近く、買い物などにも便利で、さらにご夫婦それぞれの通勤のことも考えて選んだその場所は、左右も後ろも隣家が接近した住宅密集地。
敷地の形状や大きさからしても、平屋建てを無理に強行すると〝お二人が理想とする暮らし方〟はかないそうにありません。
‥‥そこでたどり着いたのが、「半平屋の住まい」という発想でした。
「半平屋の住まい」として〝1階だけで日々の暮らしを完結できる間取り〟を成立させるため、LDK・サニタリー・主寝室を置く1階の面積は、敷地いっぱいで計画しています。
そのため庭をつくるスペースは確保できなかったものの、すぐ目の前にある公園を〝お手入れいらずのいつもきれいなお庭〟と捉えることにしました(笑)。
また、住宅密集地にあっても「自然光を生かした明るい空間」を実現できるよう、窓からの採光計画や、室内の白壁を使ったバウンス光の計画についても熟考を重ねました。
ダイニングの吹き抜け上部やリビングに設けた大きな窓が自然光をとり込み、真っ白な壁がその光を拡散し、さらに南側の主寝室にある室内窓も、LDK全体に心地よい明るさを届けます。
‥‥日中は、曇りの日でも照明いらず。そんな明るさで満ちた空間に、ご主人が丹精込めて育てた植物の緑がよく映えます。
~平岡工務店に依頼して~
お施主様インタビュー
家を持とうと思ったきっかけは、子どもができて、アパート暮らしでは手狭だったり、生活音も気になったり‥‥
それに夫婦そろって県外への転勤がない仕事なので、そろそろ家を持ってもいいかなぁと思ったんです。
それで、お付き合いのあったFP(ファイナンシャル・プランナー)さんから、平岡工務店さんを紹介してもらいました。
‥‥ちなみに、そのFPさんを僕たちに紹介してくれた友人も、平岡工務店さんで家を建てています(笑)。
平岡工務店さんには土地探しも手伝ってもらって、高田さんと一緒にこの土地を見に来た日には、お昼ごはんで近くのうどん屋さんへ行って。
その時に高田さんが「めっちゃ食べますねー、うどん噛んでます?」って驚いていたことを、今もそのうどん屋さんに行くと必ず思い出しちゃうんです(笑)。
‥‥でも、その日に私たちが驚いたのは、高田さんの〝現場での想像力〟と〝周辺環境の把握力〟でした。
高田さんは、「土地の形がこうで、北側が道路だからこうして‥‥」とか、「こういう風にしたら、こんな感じで使えて‥‥」と、その場で「こんな家を建てられる」という提案をしてくれました。
また図書館が近くにあることも把握されていて、「この土地は子育てに間違いない環境です!」って言ってくれて。
そんなやり取りが、悩んでいる僕らの背中をぐっと押して、納得してこの土地を選ぶことができました。
そもそも平屋に住みたいと思っていたのは、私がどうしても階段を上り下りするのが嫌だったからなんです(笑)。
実家も普通の2階建てなんですけど、子どもの頃に子ども部屋まで上がっていった記憶さえないくらいで、荷物を持って上がるのが本当にダメでした。
それに母親が掃除機とか重たいものを持って2階に上がっていくのを見てるから、そういうのもめんどくさいよなぁ‥‥と。
前に住んでいたところも、玄関を開けてすぐの階段を上がってリビングに行くっていう間取りだったので、
子どもを抱えたまま階段を上ったり下りたりするのはすごくたいへんで‥‥。
だから1階だけで普段の暮らしを完結できる家がいいと思って、結果的には「半平屋の住まい」を建ててもらったんですけど、2階には夫の植物の部屋があるだけで、子どももまだ小さいからもう1つの部屋も使ってないし、私は階段を上ったことがないくらい(笑)。
‥‥この1階の空間だけで私の生活はしっかりと成り立ってて、それが本当にありがたいです。
僕は、玄関を入ったところにつくってもらった有孔ボードの土間収納が気に入ってます。
山登りとか、アウトドア関連の物を置いてるんですが、そういう〝趣味がのぞく場所〟っていうのは、我が家らしさを象徴している感じがして。
それに、リビングの窓もすごく好きです。外の植物が見えて‥‥
そこには小鳥が来るし、アゲハ蝶が幼虫から成長して飛び立っていく様子も見送りました。
‥‥この大きな窓があることで、外の世界を感じられるのがいいですね。
私は、カップボードの上にある飾り棚の空間を楽しんでいます。
飾りつけには悩むこともあるけど、絵を置いたり、家族の思い出の品を並べたりできるので、「ほら見て見て、可愛いでしょう(笑)」って。
家づくりの最中も、インテリアを決めていく段階から私はめちゃくちゃ楽しかったです。
洗面所のタイルは「あまり選ぶ人はいないけど」と言われたんですけど、私は「絶対これがいいです!」ってすぐに決めました。
それに、京都まで家具を見に行ったのも、すっごく楽しかったですね。
コロナ禍でお出かけが久しぶりだったし、同行してもらったコーディネーターの長末さんとも波長?感性?が合って、お互いに縁のある〝京都話〟でも盛り上がって‥‥その日のことは、特に印象に残っています。
あと、実はこのおうちって「高田ライクな家」なんです。
室内窓のデザインだったり、掃き出し窓がないリビングで模様替えがしやすかったり、
高田さんのご自宅に取り入れられているアイデアや工夫を、いくつか参考にさせていただきました。
‥‥そういえば高田さんには、「お風呂に入りながら間取りがひらめきました」って言われたことも(笑)。
そんなお茶目な面も含め、高田さんと一緒に住まいづくりができたのはとても楽しかったし、
平岡工務店で建てて本当に良かったなぁと思っています。
こちらのお家の施工実例はこちら
>>「自然光で暮らす家」
