大工の佐藤さん*

家を建てるだけが大工の仕事と思われがちですが、実はマンションの部屋を造る大工、店舗を造る大工など、専門分野が細かく別れているのです。

中でも店舗は、表現力や木の扱い方など住宅に比べて難易度が高く、例えば、ナチュラルアンティークな空間を造りたいのに、住宅専門の大工さんが「きっちりと仕上げさしてもらいます!」と、鉋(カンナ)を使って、ピシッと綺麗に仕上げてしまっては、イメージとかけ離れて「違和感」になってしまうこともあります。

きっちりと造ることが駄目ではなくて、クライアントの「イメージをきっちりと理解して造れるか」が、店舗に限らず住宅を造る場合でも、とても大事なことなんだと思います。

平岡工務店には佐藤さんというベテランの大工さんがいます。高校を卒業後、設計事務所に勤務し建築士の資格を取得。
しかし、机の上で図面を考えるよりも、「造る」ことに興味が沸き、大工の道へ進むことに。

佐藤さんとは、図面を確認しながら打ち合わせをしますが、図面に描かれていないことの話の方が長いです。

設計図は、単なる組立説明書。

☓設計図通りに作る
○イメージ通りに作る

営業(聞き手)から大工(造り手)に、イメージのバトンを渡す瞬間。

「棚板の厚みは?」 「加工方法は?」 「塗装は?」

どんな感じ?

こんな感じ?

この時間を大切にしたいです。

これが、奥が深くて… でも、いつも楽しんでいるところが「マニアック」かもしれません。

既製品のように同じものを作る場合は簡単なんですけどね…

クライアントの数だけ、スタイルがあります。

仕上げもそれぞれ、ちょっとした部分に違いがあります。

案件ごとに違うサンプルの制作も、「本番前に練習させて下さい!」と言う想いで取り組んでくれている佐藤さん。

そんな、細かい仕事をいつも楽しんでくれいている、平岡工務店になくてはならない大工さんです。